XM 損益表示をpipsに変更することは、「難しそう」「設定が面倒そう」と感じる人が多いですが、実は拍子抜けするほど簡単です。pips表示に慣れると、通貨ペアやロット数が変わっても直感的に損益を把握できるようになり、トレードの判断スピードも自然と上がっていきます。本記事では、XMの口座で損益表示をpipsベースに切り替える考え方と、MT4/MT5で“pipsを前提とした管理”ができるようになるまでの流れを、初心者にもわかりやすく解説していきます。
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なぜ「XM 損益表示をpipsに変更」した方がいいのか
まずは「なぜpipsで見た方がいいのか」を押さえておきましょう。ただ設定をいじるだけではなく、目的を理解しておくと、その後のトレード管理がぐっと楽になります。
pips表示のメリット
1. 通貨ペア間の比較がしやすい
– ドル円で+50pips
– ユーロドルで+30pips
金額換算だとそれぞれのレートやロットによってバラバラですが、pipsなら「値幅の大きさ」だけに集中できます。
2. ロットや通貨ペアが違っても感覚がブレにくい
損益を常に「何円勝った/負けた」で見る癖がつくと、ロットを上げたときに感情が大きく揺れやすくなります。
一方、pipsで見ていれば、「1回のトレードは±20pipsに収める」といった一貫したルール作りがしやすくなります。
3. リスクリワードが管理しやすい
– 損切り:20pips
– 利確 :40pips
といった具合に、pipsベースでリスクリワード(2:1など)を決めることで、戦略的なトレードプランを組み立てられます。
「金額」だけを見ていると陥りやすい罠
– 「今日は1万円勝ったからOK」と金額だけ見て満足してしまう
– ロットを上げた瞬間、同じ値動きでも金額が倍以上になり、冷静さを失う
– 「pipsでいくつ負けているのか」が分からないため、自分のトレードの再現性を検証しづらい
XMでは、損益欄そのものを「pips」という単位に直接切り替える機能はありませんが、pipsを基準に計算・管理できる環境を整えることで、実質的にpips運用が可能になります。そのための具体的な手順を、これから順番に見ていきます。
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XMで使う「pips」の基礎をサクッと確認
XMでトレードするうえで、pipsの定義をざっくり押さえておきましょう。
– 多くの通貨ペア(EURUSD、GBPUSDなど):
0.0001 → 1pips
– USDJPY、EURJPYなどのクロス円:
0.01 → 1pips
XMのMT4/MT5では、小数点第5位(ドルストレート)や第3位(クロス円)まで表示されていることが多く、この最小単位を「ポイント(point)」と呼びます。
– ドルストレート系:
1pips = 10ポイント
– クロス円:
1pips = 10ポイント
つまり、表示されているポイント数を10で割ると、pipsに換算できるというイメージです。
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XM 損益表示をpipsに変更するための考え方
ここが重要なポイントです。
XMのMT4/MT5の標準機能では、「口座履歴」や「ターミナルの損益欄」を直接pips表示に切り替えるボタンはありません。
しかし、次の3つを組み合わせることで、実務上は「損益をpipsで管理している状態」に近づけられます。
1. ロットと通貨ペアごとの「1pipsの金額」を理解する
2. MT4/MT5の表示を最適化し、「pips換算しやすい環境」にする
3. インジケーターやエクセルなどを使って、pipsベースで成績管理する
それぞれ、XMの環境を前提に手順を見ていきます。
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手順①:1pipsあたりの損益を把握する(XMの基本)
代表的な通貨ペアとロットの目安
標準的な100,000通貨(1ロット)の場合の「1pipsあたりのおおよその金額」は、次の通りです(為替レートによって変わりますが、感覚として十分です)。
– USDJPY(1ロット)
→ 1pips ≒ 1,000円
– EURUSD(1ロット)
→ 1pips ≒ 10ドル(円換算はレートに依存)
– 0.1ロットなら、その1/10
– 0.01ロットなら、その1/100
XMのマイクロ口座・スタンダード口座・ゼロ口座など、口座タイプによってロットの中身が異なりますが、トレードするロット数に応じて
> 「自分の口座で、1pips当たりいくら動くのか」
を一度メモしておくと、その後の計算がかなり楽になります。
超シンプルな逆算のコツ
例えば、USDJPYで0.1ロットのポジションを持っていて、
– 損益:+2,000円
– レートはおおよそ140円付近
このとき、ざっくりのpipsは
– 0.1ロット → 1pipsあたり約100円
– 2,000円 ÷ 100円 ≒ 20pips
といったように、円表示を見ただけでpipsがイメージできるようになります。この感覚を身につけることが、「見かけ上の損益表示をpipsで見る」のに近い状態です。
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手順②:XM MT4で損益をpips換算しやすくする設定
ここからは、具体的にMT4で「pipsベースで管理しやすい画面」に整えていきます。
1. 価格表示の桁数を理解する
XMのMT4では、デフォルトで5桁(ドルストレート)・3桁(クロス円)の価格表示になっていることが多いです。
例)EURUSD:1.12345
USDJPY:140.123
このとき、
– 最後の桁(5、3)は「ポイント」
– pipsで考えると「10ポイント = 1pips」
となります。
2. 気配値ウィンドウの「ポイント表示」を活用
1. MT4上部メニューの「表示」→「気配値表示」を開く
2. 任意の通貨ペアを右クリック
3. 「仕様」をクリックすると「ポイント」「スプレッド」が確認できます
ここで表示されるスプレッドが「ポイント」単位なので、
– 20ポイントと表示されていれば
→ 20 ÷ 10 = 2pips
と、pips換算が簡単にできます。
3. ターミナルの損益表示を理解する
画面下部の「ターミナル」→「取引」タブでは、損益が自分の口座通貨(円口座なら円)で表示されます。
ここでの数値を、その通貨ペアとロット数に応じてpipsに換算することで、
> 「実質的にpips表示を見ている」のと同じ感覚
が手に入ります。
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手順③:XM MT5でpips管理をしやすくするコツ
XM MT5を使っている場合も基本は同じですが、情報表示が少しリッチになっています。
1. 気配値ウィンドウでスプレッドやポイントをチェック
1. 上部メニュー「表示」→「銘柄」または「気配値表示」を開く
2. 通貨ペアを右クリック→「仕様」を選択
3. 「ティックサイズ」「ティックバリュー」「スプレッド」などを確認
– ティックサイズ:最小変動幅(ポイント換算の元)
– ティックバリュー:最小変動幅あたりの金額
これを見れば、ロットとレートに応じた「1pipsあたりの金額」が把握しやすくなります。
2. 口座履歴のカスタマイズ
MT5では、「口座履歴」タブで各トレードの結果(損益)を右クリックし、「レポートの保存」を行うことで、トレード結果をHTMLやXMLで出力できます。
これを後述するエクセル管理と組み合わせれば、過去トレードをすべてpipsに換算して集計することも可能です。
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手順④:インジケーターを使ってXM 損益表示をpips感覚に近づける
MT4/MT5の標準機能だけでは、損益欄を直接pips表示に切り替えられないため、多くのトレーダーはカスタムインジケーターを併用しています。
代表的な活用パターン
1. エントリーからの含み損益を「pips」で表示するインジ
チャート上に現在の含み損益をpips単位で表示してくれるツールです。
– 「今、+15pipsくらいか」
– 「そろそろ+30pipsで利確ポイント」
という判断が一目でできるようになります。
2. 決済後のトレード結果をpipsで表示・記録するインジ
決済時点のpips損益を、チャート上やログに残してくれるものもあります。
これを使うと「今日は合計+40pips」「この戦略は平均+18pips」といった検証がとても簡単です。
インジケーターの導入方法(MT4/MT5共通)
1. ダウンロードしたインジケーター(.mq4/.ex4、.mq5/.ex5)を用意
2. MT4/MT5の「ファイル」→「データフォルダを開く」
3. 「MQL4」または「MQL5」→「Indicators」フォルダにファイルをコピー
4. MT4/MT5を再起動し、「ナビゲーター」→「インディケータ」からチャートにドラッグ&ドロップ
XMの公式配布ではありませんが、ネット上には無料・有料で多くのpips表示インジが公開されています。
使う際は、配布元の信頼性やウイルスチェックを必ず行いましょう。
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手順⑤:XMのトレード成績をpipsで管理する(エクセル活用)
実際の運用で非常に役立つのが、エクセルやスプレッドシートでのpips管理です。
1. 口座履歴をエクスポート
XMのMT4/MT5からトレード履歴をエクスポートする手順はおおよそ共通です。
1. 「ターミナル」→「口座履歴」タブを開く
2. 右クリック→「期間のカスタム設定」で集計期間を指定
3. 再度右クリック→「レポートの保存」または「詳細レポートの保存」
これでHTML形式のレポートが保存できます。
必要であれば、それをエクセルに取り込みます。
2. エクセルでpipsに変換する基本アイデア
– 通貨ペア
– ロット
– 損益(金額)
– レート
などの情報から、次のような計算式を用いてpips数を算出します。
例:USDJPY、スタンダード口座、円口座の場合(シンプル化)
1. 「1ロット=1pipsあたり約1,000円」とする
2. pips = 損益(円) ÷(ロット数 × 1,000)
– 損益が+5,000円
– ロット数が0.5
の場合、
5,000 ÷(0.5 × 1,000) = 10pips
これをエクセルの式にしておけば、自動的にすべてのトレード結果をpips換算できます。
3. pipsベースの管理で見えてくるもの
pipsに変換して集計すると、次のような「本質的なトレード成績」が見えるようになります。
– 1回あたりの平均獲得pips
– 最大ドローダウン(pips)
– 勝ちトレードと負けトレードの平均pips差
– 資金に対して、1トレードあたり何pipsをリスクにしているか
これにより、「ロットを変えても同じ戦略を続けられているか」が一目瞭然になり、XMでの運用に安定感が生まれます。
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XMでpips管理するときの注意点
1. 口座タイプによる違いを把握する
XMには複数の口座タイプ(スタンダード、マイクロ、ゼロなど)があり、
– 1ロットあたりの通貨量
– 1pipsあたりの金額
が微妙に異なります。
自分の使っている口座タイプについて、XM公式サイトの「口座仕様」を一度確認し、1pipsあたりの金額目安をメモしておきましょう。
2. 為替レートによって1pipsの価値は変動する
特にドル建て口座やユーロ建て口座の場合、
– 1pipsあたりの金額は、通貨ペアのレートやクロスレートによって変化します。
厳密に計算するツールもありますが、実務上は
– 「おおよそのpips価値」を把握しておく
– 大きなロットを張るときは、事前に計算しておく
といった運用で十分なケースが多いです。
3. pipsに慣れたら、「金額」への執着を減らす
pips管理に切り替えると、「今日はいくら勝った/負けた」ではなく
– 「今日は+30pips取れた」
– 「損切りはきちんと20pipsで守れた」
といった意識に変わっていきます。
これが、長期的には感情のブレを抑え、ルール通りにトレードする力につながっていきます。
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まとめ:XM 損益表示をpips基準にして、トレードを「数字で」コントロールしよう
XM 損益表示をpipsに変更する直接のボタンはありませんが、次のステップを踏めば、実務上は「pipsで損益を見ている」のとほぼ同じ状態にできます。
1. 自分の口座タイプとロットにおける「1pipsの金額」を把握する
2. MT4/MT5でポイント表示や仕様画面を活用し、pips換算しやすい環境を整える
3. 必要に応じて、pips表示インジケーターを導入する
4. 成績はエクセルなどでpipsに換算して管理する
金額だけに振り回されるトレードから、pipsベースで戦略的にコントロールするトレードへ切り替えていくことで、XMでの運用は一段と安定します。
今日から少しずつ、損益を「pipsの目」で見る習慣を取り入れてみてください。


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