XM ロスカット20%完全ガイド|証拠金維持率を徹底計算
XM ロスカット20%というルールは、XMでトレードをするうえで最も重要なリスク管理のポイントです。証拠金維持率が20%まで下がった時点で、保有中のポジションが強制決済されるこの仕組みを正しく理解していないと、「いつの間にか全部ロスカットされていた」という事態になりかねません。この記事では、ロスカットが発動する具体的な条件から証拠金維持率の計算方法、実戦的なリスク管理法まで、初心者にも分かりやすく解説します。
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XMの基本仕様とロスカット20%の位置づけ
まずは、XMのロスカットルールがどのような取引条件の中で設定されているのかを整理します。
XMの証拠金関連の基本ルール
XMでは、口座タイプにかかわらず、以下のような証拠金ルールが共通です(※一部銘柄ごとに例外あり)。
– 必要証拠金(マージン)
→ ポジションを保有するために拘束される資金
– 有効証拠金
→ 口座残高 + 浮動損益(評価損益)
– 証拠金維持率(マージンレベル)
→ 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100(%)
– ロスカット水準(ストップアウトレベル)
→ 証拠金維持率が20%以下で、順次ポジション強制決済
– ゼロカットシステム
→ 口座残高がマイナスになっても、あとでXMがゼロにリセット
XMでは高レバレッジ(最大1000倍など)で取引できる一方、リスクを一定範囲にとどめるために「ロスカット20%」という明確なルールを設けています。
ロスカット(ストップアウト)の基本イメージ
ロスカットは、有効証拠金が足りなくなったときに、XM側が自動でポジションを閉じる安全装置のようなものです。
– 含み損が大きくなり
– 有効証拠金が減少し
– 証拠金維持率が20%を割り込む
この流れになったとき、ロスカットが実行されます。これにより、口座残高がゼロ以下に大きく突き抜けるリスクを抑えています。
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XM ロスカット20%の仕組みを正確に理解する
ここからは、ロスカット20%が「どのタイミングで」「どのように」発動するのかを、もう少し踏み込んで見ていきます。
証拠金維持率20%とは具体的に何を意味する?
証拠金維持率の式をもう一度確認します。
> 証拠金維持率(%)= 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100
– 有効証拠金が
– 口座残高:100,000円
– 含み損:-80,000円
→ 有効証拠金:20,000円
– 必要証拠金が
→ 100,000円
この場合、
> 証拠金維持率 = 20,000 ÷ 100,000 × 100 = 20%
この「20%」のラインを下回った瞬間、ロスカットが動き出します。
ロスカットはどの順番でポジションが決済される?
証拠金維持率が20%以下になると、XMでは以下のような流れでポジションが強制決済されていきます。
1. 証拠金維持率が20%未満に低下
2. 含み損が大きい順に、ポジションを自動決済
3. ポジションを1つ決済するごとに、有効証拠金と必要証拠金が再計算
4. 証拠金維持率が再び20%以上に戻れば、ロスカットは一旦停止
5. なお下がる場合は、残りポジションも順次決済
つまり「一気に全ポジションが強制決済される」と限らず、最悪のポジションから順番に切られていくイメージです。
ロスカットとマージンコール(証拠金維持率50%)の違い
XMにはロスカットのほかにマージンコール(証拠金維持率:50%)という注意喚起ラインがあります。
– マージンコール(50%)
→ 証拠金維持率が50%を割り込むと発生
→ XMから「維持率が下がっています」という警告(メールやMT4/MT5通知)
→ ただし、この時点ではまだポジションは強制決済されない
– ロスカット(20%)
→ 証拠金維持率が20%を割り込んだ時点で強制決済開始
マージンコールは「そろそろ危険ゾーンですよ」という合図であり、実際に資金が削られるのはロスカット発動以降です。
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証拠金維持率の計算方法をステップで解説
ロスカットを避けるには、常に証拠金維持率を把握しながらポジション管理をすることが重要です。ここでは、計算方法と具体例を紹介します。
基本の計算式
1. 必要証拠金を求める
2. 有効証拠金を求める
3. 証拠金維持率を計算する
1. 必要証拠金の計算
FXの必要証拠金のおおまかな計算式は次の通りです。
> 必要証拠金 = 取引数量(ロット) × ロットあたりの契約サイズ × 為替レート ÷ レバレッジ
例:スタンダード口座で、ドル円(USDJPY)を1ロット=100,000通貨、レバレッジ1000倍で取引する場合
– 取引数量:1ロット(100,000通貨)
– 為替レート:USDJPY = 150.00
– レバレッジ:1000倍
> 必要証拠金 = 100,000 × 150 ÷ 1000 = 15,000円
※XMの口座通貨が円の場合のイメージです。
2. 有効証拠金の計算
> 有効証拠金 = 口座残高 + 含み損益
たとえば、
– 口座残高:100,000円
– 含み損:-20,000円
この時、
> 有効証拠金 = 100,000 +(-20,000)= 80,000円
3. 証拠金維持率の計算
> 証拠金維持率 = 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100
必要証拠金が40,000円、有効証拠金が80,000円なら
> 80,000 ÷ 40,000 × 100 = 200%
この場合、証拠金維持率は十分で、ロスカットまではかなり余裕がある状態です。
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具体例で見る:ロスカット20%に近づくプロセス
実際の数値で「どれくらい損失が出るとロスカットラインに達するか」をイメージしておきましょう。
シナリオ1:口座残高10万円、必要証拠金5万円の場合
– 口座残高:100,000円
– 必要証拠金:50,000円
この状態からスタートし、含み損が出ていくケースを考えます。
証拠金維持率ごとの状態
1. 含み損 = -10,000円
– 有効証拠金:100,000 – 10,000 = 90,000円
– 証拠金維持率:90,000 ÷ 50,000 × 100 = 180%
2. 含み損 = -50,000円
– 有効証拠金:50,000円
– 証拠金維持率:50,000 ÷ 50,000 × 100 = 100%
3. 含み損 = -75,000円
– 有効証拠金:25,000円
– 証拠金維持率:25,000 ÷ 50,000 × 100 = 50%(マージンコールライン)
4. 含み損 = -90,000円
– 有効証拠金:10,000円
– 証拠金維持率:10,000 ÷ 50,000 × 100 = 20%(ロスカットライン)
つまり、「証拠金維持率50%のマージンコール」を超えてもさらに損失が増え、口座残高10万円に対し含み損が9万円程度になるとロスカットが発動するイメージです。
シナリオ2:高レバレッジ・大きめロットの危険性
– 口座残高:50,000円
– レバレッジ:1000倍
– 必要証拠金:40,000円のポジションを保有
このケースでは、含み損が-42,000円になると
– 有効証拠金:8,000円
– 証拠金維持率:8,000 ÷ 40,000 × 100 = 20%
となりロスカット水準に到達します。
少ない残高で必要証拠金ギリギリまでポジションを張ると、ほんの数十pips逆に動いただけでロスカットに直行することが、こうした計算からも分かります。
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XM ロスカット20%を避けるための実践的なコツ
ロスカットは資金を守るための仕組みですが、頻発すると口座残高が削られてしまいます。ここからは、ロスカットを極力回避するための実践的なテクニックをまとめます。
1. 「ロットを落とす」のが最も効果的
ロスカットを避けるうえで最も重要なのは、ロット数を抑えることです。
ロットを減らすメリット
– 必要証拠金が小さくなる
– 同じ含み損でも証拠金維持率が高く維持される
– 許容できるドローダウン(口座全体の下落幅)が広くなる
例)
– 1ロットで必要証拠金40,000円 → 維持率20%になるときの許容損失は小さい
– 0.2ロットで必要証拠金8,000円 → 同じ資金でもはるかに耐久力が上がる
「この資金なら最大でどれくらいのロットまでにするか」という自分なりの上限ルールを先に決めておくと、ロスカットに追い込まれにくくなります。
2. 必ず自前の損切り(ストップロス)を入れておく
XMのロスカットに頼るのではなく、自分で損切りライン(SL)を設定するのがプロの基本です。
– 含み損が大きくなりすぎる前に、自動的に損切りされる
– ロスカットラインより手前で撤退することで、口座全体のダメージを抑えられる
– 「まだ戻るかも」という感情的な判断を減らせる
「1回のトレードで許容する損失額(%)」を決めてから、その範囲でストップを計算しましょう。
– 例:1回のトレードで口座の2%までしか失わない、など。
3. 余裕のある証拠金維持率を目標にする
ロスカットを避ける目安として、証拠金維持率200%以上をキープするトレーダーが多いです。
– 200%以上:かなり余裕あり
– 100〜200%:リスクが高まりつつあるゾーン
– 50〜100%:要注意(マージンコール付近)
– 20%:ロスカット発動
もし維持率が100%を割りそうになったら、
– ロットを減らす
– 含み損の大きいポジションを一部決済する
– 追加入金で余裕を持たせる
といった対策を検討することをおすすめします。
4. 追加入金とゼロカットの使い方
XMではロスカット後に口座残高がマイナスになってもゼロカットシステムで0円にリセットされます。
– 相場急変時などに、借金を負うリスクを抑えられる
– ただし「ロスカットされてゼロになってもいいから全力勝負」などのギャンブルは非常に危険
追加入金は
– あくまで「計画的な資金管理の一環」として
– ロスカット直前の延命ではなく、ポジション調整とセットで行う
この点を意識しておきましょう。
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XMのロスカット計算を日常的に確認する方法
ロスカットを避けるには、トレード中に常に「いま自分がどの位置にいるか」を把握しておく必要があります。
MT4 / MT5のターミナル画面の見方
XMで利用できるMT4/MT5プラットフォームでは、下部のターミナル(ツールボックス)に以下が表示されます。
– Balance(残高)
– Equity(有効証拠金)
– Margin(必要証拠金)
– Free Margin(余剰証拠金)
– Margin Level(証拠金維持率)
このうち
– Margin Level(%)が20%に近づくほどロスカット危険域
– 50%前後でマージンコールゾーン
トレード中は必ずこの値を意識しながらポジションを管理しましょう。
エクセルやスプレッドシートでシミュレーションする
ロット数やレバレッジごとに「どれだけ逆行したらロスカットに届くか」を事前に知っておきたい場合、エクセルなどを使って表を作っておくと便利です。
作成する項目の例:
– 口座残高
– 予定ロット数
– 必要証拠金
– 1pipsあたりの損益
– ロスカット20%に到達するまでの最大許容pips
– 損切りpips(自分のルール)
こうしたシミュレーションをしておくことで、「このロットだと、たった○pips逆行しただけで終わる」という現実がクリアに見えるようになり、無謀なポジションを取りにくくなります。
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まとめ:XM ロスカット20%を味方につける考え方
XMのロスカット20%は、トレーダーの資金を守るための最低限のセーフティネットです。
ポイントを整理すると:
– ロスカット発動条件は「証拠金維持率が20%を割り込んだとき」
– その前段階として、維持率50%でマージンコールが発生
– 証拠金維持率の計算式は
– 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100
– ロットを抑え、ストップロスを設定し、
– 維持率200%以上を1つの目安として運用すると安全度が増す
– XMのゼロカットはあくまで「最終防衛ライン」であって、
– ロスカットやゼロカット狙いのギャンブルトレードは厳禁
ロスカット20%のルールを正しく理解し、自分のトレードルールに組み込むことで、XMの高いレバレッジを「破滅の道具」ではなく「効率的な資金運用のためのツール」として活かすことができます。
数字と仕組みをしっかり押さえ、そのうえで冷静なリスク管理を心がけていきましょう。


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